
速読ではなく多読。
言うまでもなく、世は情報化社会であり、情報を早く多く得た者が優位であることは疑いようもない。
そんな中、信頼性が高く低コストなメディアとしての本を読むことによって、読む・聴くのインプットから、話す・書くのアウトプットに至る情報利用の完結には、思考力と語彙力の基礎能力が必須であり、それを身につける為の技術、つまり多読術を著した本。
巷には速読術も溢れているが、どうしても速読では読み飛ばしてしまう箇所があるのは否めず、その読書を続けていても本当に多くの人が情報をアウトプットする迄至れるのか?
ディベートの場でそれを発揮できる人が少ない以上、困難な方法ではないかと考えていたので、多読をすんなりと受け入れられた。
それでも選書方法を、感動・生命・経済・娯楽の4分野に分けただけで、1分野2冊の例示ではおそまつだし、「本当に読むべき本は現れる時は、あなたの心が反応すると同時に「手」がすでに反応」する「直感力がついて」いるとの記述も、平積みでなく本棚の背表紙から1冊を抜き出す感覚と理解するが、その感覚を掴んでいる読者をターゲットにした本ではないのだから、選書方法については充分詳しく説明すべきで、多読の重要要素である選書をキッチリ押さえているとは言い難く、減点した。
既に多読している読者にとっては、3章の13問中半分ほどのクイズで自身の思考力・論理力を試すことができ、東京在住者は見所付の東京本屋ツアーが楽しめるだろう。
プロの作家と自己満足し過ぎでは?
著者のプロとしての「読む技術」の紹介で、参考になる個所は多く
あります。
しかしながら、著者の「読む技術」をプロとして、「プロ」「プロ」と言う
言い回しが多く、感心しません。
その他の気付きとして、
(1)本は教育費であり、毎月収入の5%を本に投資するという考え方は、
理解できます。
年収400万であれば・・・・・・とありますが、最近の若い者で、
年収400万円ある人は、ごく限られた人になるでしょう。
(2)絶対に守って欲しいということで、図書館で本を借りないこと。
理由として、
●タダは、所詮タダのもの
●自分の懐(ふところ)を痛めて購入するからこそ、血となり骨となる
という考え方は、あまり、賛成できません。
利用できるものは利用して、そのお金を本の購入費に当てる方が、得策
と思います。
(3)エピローグに、著者の子どもさんのことが書いてありますが、エピローグと
いう重要な部分に、家族のこと(ブロッコリーを食べているということ)を書かれ
ていることは、感心しません。
ちょっと厳しいことを書きましたが、見習う個所は多い本です。
図書館の本は借りないこと?
この本は、”図書館の本は借りないこと。”と書いてあります。理由は、”懐を痛めて購入するからこそ血となり骨(?)となる”ことと、”図書館のセレクトに基準がない”とのことだそうです。編集者という仕事柄、そういった意見が出ても仕方はないのかもしれませんが、買っても借りてもしっかり読めば同じこと。逆に懐を痛めて買ったために、駄本でも無理して読んでしまったりする場合もあります。
それに、図書館の本だって所詮は税金であり自分のお金も含まれています。絶版になって買えないもや、なかなか手に入らない資料、学生で本の購入が大変な方、税金で運営されているのだから有効に活用しようという方など、誰にでも利用できる知的システムなのです。
また、”図書館のセレクトに基準がない”とのことですが、本の選択は図書館ではなく読者がするものです。それには、蔵書数が多いほうが有利。これらの理由で”借りないこと”と断言してしまうあたりは、あまりにも考え方が軽率のように感じます。
また、”書店のほうが世相を映しつつ現在と過去がバランスよく健全に配分されています”とありますが、書店の本はあくまでも商売優先。バランスよりもお客の要望に応じた本を置かなければ商売になりません。バランスよく健全なのは図書館のほうかもしれません。
さらに、142ページで目次のあり方に関して説明がされていたり、本の重要なポイントは最終章と書いてあるのですが、この本を見る限り矛盾しているように感じました。
疑問の点もあるが,やくにたつ技術をみつけられる本
いくつものミリオンセラーをだした編集者が,自身の「読む技術」を紹介している.1 日 30 分の読書時間をつくることをすすめ,速読や精読でなく多読をすすめている.また,ペンやマーカーをもって本を読み,重要とおもった文章を書き写すことをすすめている.「あなたは本当に読めているか?」という章では「読解力」をためす問題がならべられているが,この部分は疑問がおおい.「次の文章で論理的に正しいものはどれか」という問題では,そもそももとの文章が論理的でないので,正誤がこたえづらい.とはいえ,読者はこの本のなかのどこかで,自分にやくだつものをみつけることができるだろう.
よく噛んで飲み込めば栄養たっぷりの読書論
活字によって導かれ、長年編集という仕事に携わってきた著者が、「読むということ」を一から問い直してくれる良書。
昨今の読書論にありがちな、ただただ耳ざわりが良いだけの「すぐにパワーアップできます」的な怪しさがなく、あくまでもその著者の体験に基づく本質論なのがよい。
読書の基礎体力をつけたい人には適した指南書だと思う。また、すでに十分に読めていると自負している人にも、読むということに新たな意味を感じさせてくれるお勧めの一冊。
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