
救いの人
著者の福元一義さんとは、智プロで一緒で、
その、他者との距離をとることでは、
達人だった。
手塚先生とアシスタントの間に入って、きっと
アシスタントを手塚先生を、救ったに違いない。
それはアシスタントの技量以上のものだった。
手塚先生は福元一義さんのそこを、
深く頼りにしていたと思う。
「巨匠」手塚治虫像の再確認として
30年以上にわたり手塚治虫のチーフアシスタントをつとめてきた著者の見た
「巨匠」像である。
なぜあんなにものごいスピードで作品を書き続けられたのか……
同時に数本の連載を抱え、一方でアニメーションにものめり込む。
それが出来たのは、手塚治虫が尋常ではないスピードで「描けた」からだと言われる。
そうはいっても、締め切りを過ぎてしまったりといったトラブルは日常茶飯事だったが、
それでも何とか乗り越えてしまったのは、手塚の才気とパワーゆえか。
そこのあたりのことが、裏話を豊富に交えながら
しかもイラスト入りで語られる。
これまで語られてきた手塚治虫像を覆すようなものではなく、
むしろ再確認するような内容だが、
それなりに面白く読めた。
何より、仕事の場で最も身近にいた人の文章だけに、説得力がある。
そしてやはり、手塚治虫というキャラクターに親しみが湧いてくる。
愛すべき本である。
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